「前開きのパジャマ」って、どんなものか知っていますか?
母の介護が始まった頃、入院準備の「用意するもの」の中に
「前開きのパジャマ」
という言葉があり、私はそこで手が止まりました。
今なら、スマホですぐ検索できますが、
当時は、今ほど便利に調べられる環境もなく、
時々手伝いに来てくれていた祖母に聞いて、
初めて、胸のところにボタンが並んでいて、
前が開くパジャマのことだと知りました。
今思えば、「そんな簡単なことも知らなかったんだ」
と思います。
でも、介護が始まったばかりの私は、
そんな小さなことさえ分からない状態でした。
心の準備もできていない。
介護の知識もない。
そこから、病院、銀行、役所、家のこと、
毎日の生活に必要なことを、
一つひとつ対応していく毎日が始まりました。
分からないことが分からない。
そんな状態のまま、目の前のことをこなすことで精一杯。
それが、とても苦しかったんです。
だからこそ今、
家族介護の方向けのカウンセリングや
ビジネスに取り組む中で、
改めて感じていることがあります。
それは、
自分以外の視点が入ることで、
見えてくるものがある
ということ。
自分一人では、
どこで詰まっているのか。
何が絡まり合っているのか。
どこでつまずいているのか。
それすら分からないことがあります。
でも、誰かから問いかけてもらうことで、
「あ、私が困っていたのはここだったんだ」
と気づく。
そこから、「じゃあ、私はこれからどうしたい?」
と考えられるようになる。
すると、次の一歩も踏み出しやすくなります。
AIという便利なツールも増えました。私自身も活用しています。
でも、
人から投げかけてもらう問いだからこそ、
心に響くこともある。
そんなことを最近、改めて感じています。
突然始まった、未知の「介護」という世界。
だからこそ、
家族のことだけ。仕事のことだけ。お金のことだけ。
と、どれか一つに追われるのではなく、
一度立ち止まって、
「これから私は、どう生きたいんだろう?」
と整理してみることも大切になります
自分のやりたいことまで、ずっと後回しにしなくてもいい。
介護の経験があったからこそ見えたこと。
困ったからこそ分かったこと。
誰かに支えてもらったからこそ伝えられること。
それらを、
誰かの困りごとを解決する力に変えて、
社会貢献やビジネスにつなげていく。
実際に私の周りにも、介護や福祉の経験をもとに、
「自分の経験を誰かの役に立てたい」
と動き始めている方がいます。
あの頃の私には、
「前開きのパジャマ」さえ分かりませんでした。
でも今は、あの時の経験も含めて、
これからの自分の人生に何を活かしていくのか
を考えています。
もし今、
介護や家族のことを優先するあまり、
自分のこれからを考える余裕がなくなっているなら。
まずは、
「私はこれから、どう生きたい?」
そこから一緒に整理してみませんか。